綾小路龍之介の素人思考

数世代前のスペックのマシンを使う理由

ソフトは人間からの命令をハードに伝えるものであり、ハードに近いソフトを使用することで、人間はよりハードに近い命令を意識して、つまりより具体的に命令を行うようになるから。

常々思っていることは、処理を短時間で完了させるという点において最も大きなボトルネックになっているものは人間の処理だ、ということだ。おそらく、10年前のコンピュータと現在のコンピュータでは処理速度に雲泥の差があるだろう、しかし、10年前の人間のタイプ速度と現在の人間のタイプ速度ではそんなに変らないのではないだろうか。100年たっても人間がコンピュータに命令を出すスピードはそんなに変らないのではないかとおもう。

現在のコンピュータはCPUやメモリといったハードに近い部分からアプリケーションといったソフトに近い部分までがモデラートな階層構造をなし、各層が独立して処理を行い、各層は互いの処理内容を知らなくても正しく処理が行われるようになっている。人間はハードから最も遠い場所、ソフトに最も近い場所、から命令を出す。人間の出した命令はハードにつながる各層のソフトを通じてハードに伝達される。ハードは単純な命令しか受け取れない、たとえば、ANDやORといった2項の演算だ。多くの人間はマウスを動かして画面上の矢印を移動させる時にANDやORを意識することは無いだろう。マウスを右に動かすというハードから見れば曖昧この上ないアクションを解釈してハードに具体的な命令として伝達しハードからのリアクションを人間に伝達するのは全てソフトの仕事である。

ソフトは人間からの曖昧な命令をハードに伝える役割をしている。ソフトウェアの開発とは人間からの曖昧な命令をハードへ伝えるための具体的な命令へと変換する翻訳機能を実装することである。軽いといわれているソフトはこの翻訳作業が速いのである。人間にとってはほとんど見分けが付かないようなごまかしを行うこともあるだろう。ソフトの工夫はハードの工夫を凌駕すると期待しているからだ。CPUは1年で倍のスピードになるかもしれない、新しいアーキテクチャで数倍の処理速度を手に入れることができるかもしれない。良いハードを求める理由はなんだろうか。それは処理に時間がかかかるようになったから。短時間で処理を完了させるために必要なのは良いハードであり良いソフトだ。

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ChangeLog

  1. Posted: 2006-11-28T05:12:19+09:00
  2. Modified: 2006-11-28T13:16:29+09:00
  3. Generated: 2017-05-31T23:09:18+09:00